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KT-08
・無垢 桧材
自作スピーカーで一般的に使用されている材料には、「MDF」や「ラワン合板」、「フィンランドバーチ合板」などがあります。
左から「MDF」「コンパネ」
これらは、解砕もしくはスライスされた木材を、再び板状に成形したものです。その特性として寸法安定性が優れているために、自作スピーカーでは重宝する材料です。
一方で
『無垢』の材料は、自然の木をそのまま板の寸法に切り出したものです。そのため、湿度の変化などで寸法が変化するなどの欠点がありますが、
木の性質・響きをそのまま生かすことができます。
左から、「桧」「メープル」「マホガニー」の無垢板
実際に、木材の響きを「試聴」すると、その差は歴然としたものがあります。
「MDF」や「合板」のように加工成形した材料は、音が曇ったり、違和感をもつ響きが付きまとうことが多々あります。
一方で、
『無垢』の材料は、共通して伸びやかで、澄んだ響きを持っていました。
「
木材(29種類)の試聴レポート」は、こちら。
もちろん、無垢材といっても種類は様々で、音質にも差がありました。
その中でも、
特に秀でた音質だったのが『桧』『マホガニー』『メープル』でした。これらは音の情報量も多く、帯域バランスにも優れています。
本製品「KT-08」は、
幅広い音楽ジャンルへの対応力、各帯域の均等な響き、が実現できる『桧』を材料に選択しました。
(「KT-08」とFostex FF85WKの組み合わせ)
先に述べたように、無垢材は湿度により寸法の変動があるために、スピーカー全体を無垢の材料で組むのは若干のコツが必要です。
しかし、
『無垢材』がバッフル板だけであれば、他の材料と同じような感覚で製作することが可能(※1)です。さらに、バッフル板はスピーカーユニットの直近にあたる材料であり、部分的な無垢材の採用であっても
音質的なメリットを十分に享受できるというメリットがあります。
(※1)推奨の板材の組み方、設計図面例などは、上の「使用方法」タブからご確認ください。
・板厚 25mm
スピーカーユニットを支持するバッフル板は、十分な強度をもつことが必要です。本製品「KT-08」では、25mmの板厚とすることで、
スピーカーユニットを強固に支持するとともに、
十分な音質改善効果を得ることができます。
・高精度ザグリ加工
ザグリ加工とは、木材の穴の周囲の一部を削ることです。
例えば、単に丸穴を開けた板に、スピーカーユニットを組み込むと、こんな感じになります。
左:Fostex FF85WK、右:DIYAudio SA/F80AMG (共にザグリ無しの例)
現代的なスピーカーユニットは磁石が非常に大きく、ユニット背面から出る音の通り道を塞いでしまいます。
そこで、「ルーター」という電動工具を用いて、以下のような(逆円錐状の)ザグリ加工をすることが多々あります。
確かに、これでユニット背面の空気の通り道を確保することができますが、この形状では
ユニットを固定する部分が非常に薄くなり、強度不足による音質低下(共振による音の濁り)が起こります。
そこで、本製品「KT-08」では、以下のような形状を採用しています。
ユニット背面の空気の通り道は確保しつつ、ユニット固定部の強度は十分に高い形状です。
実際の写真で比較すると、こんな感じです。
左:ザグリ加工なし、 右:本製品「KT-08」 (ユニット:Fostex FF85WK)
左:ザグリ加工なし、 右:本製品「KT-08」 (ユニット:DIYAudio SA/F80AMG)
このザグリ加工は、
スピーカーの中低域がリッチで太い音になり、豊かな質感を得るのに非常に有効です。
8cmフルレンジユニットの真の実力を、ぜひ体感してみてください。