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PR-10 (生産終了)

概要技術使用方法仕様試聴ギャラリー


「PR-10」
(希望小売価格 32,000円・ペア、税込)

<主な特徴>
・最高級グレードの「無垢ひのき材」を全面に採用
・板厚25mmで、不要振動を抑制
・低歪み8cmフルレンジ搭載
・音楽表現力を高める各種チューニング
・高純度OFC導体による内部配線
・バナナプラグ対応スピーカーターミナル

 生産終了


【「PR-10」、誕生秘話】


「PR-10」は、一つの命題からスタートしました。

小さくて、使い勝手が良くて、
音の良い小型スピーカーはできないか?



リビングや、卓上で簡単に使うスピーカーを探していた時、
なかなか良いものを探すことができませんでした。

あるスピーカーは、価格やサイズはちょうど良いものの、
どうも安っぽく、いかにも「入門用」という感じでした。

また、あるスピーカーは、拘りがある設計で良い感じでしたが、
ちょっと価格が高すぎる…と感じてしまうものでした。


私にとっては、本気で聴くメインシステムとは別に、
サブとして気軽に音楽を楽しむためのスピーカーなので、
それほど予算を割くわけにはいきません。

しかし、
オーディオマニアの性として、
テキトウなものは許せないのです。



自作スピーカーを趣味でやっていた頃も、
何度か小型コンパクトなシステムを作る機会がありました。

「S-008」 (2008年作)



たとえば、これは「S-008」という2008年に作ったスピーカーです。

TangBand社のW3-582SCというスピーカーユニット(以下、ユニット)を使ったもので、
内容量が約3Lの小さなスピーカーです。

このユニットは、自作スピーカー派の間でも著名なもので、
振動板に「ポリプロピレン(PP)」という樹脂系素材を用いているのが特徴です。


このユニットは、非常に癖のない音で、適度に低音も出るので、
「S-008」は長い間サブシステムとして活躍してくれました。

実は、何度かユニットの交換をして、紙やマグネシウム合金といった振動板素材のユニットも経験しています。
これらは、能書きも良く、聴くと確かに「おっ、いいかも?」と思わせるのですが、サブシステムとして長時間BGMとして聴いていると違和感を感じてしまうこともありました。

それに対して、「ポリプロピレン」という素材は、固有の癖が非常に少ない(内部損失に優れている)という特徴があるために、こういったサブシステム用途にはピッタリだと感じるようになりました。



とはいっても、やはり魅力となるワンポイントが欲しいところです。

箱の方は、15mm厚の合板(シナアピトン合板)を組んだだけなので、
高級オーディオに匹敵する魅力があるかというと、ちょっと悩ましいところです。(自作品としてはイイ感じなのですが!!)


「S-051」 (2015年作)



こちらも、8cmフルレンジを使った小型スピーカーです。
スピーカーユニットは、「DigiFi誌 Vol.19(2015年8月号)」の付録のものですね。

本作は、箱の素材に松集成材を使用し、
表面をワインレッド色に塗ったので、見た目も良い感じですね。

また、フロント側の板(フロントバッフル)が、
斜めにカットされている
のも、特徴になっています。

有害な「回折効果」を抑えられることから、
音響的に好ましい形だと考えています。


角による反射が無いと、
不要な反射波が生じず、ピュアな音再現となります。



一般的な箱型のような形状で、回折による反射波が大きいと、特性にも大きな乱れが生じるとされています。
一方で、その角をカットしたり、球形に近づけることで、よりフラットな特性とすることができるのです。

この「S-051」を作製する際にも、カットの有無での差を確認しましたが、
45°カットを行うと「ギスギスした高域が収まり、聴きやすい音になる」といった効果を感じることができました。



こうして、以前に作製したことのあるスピーカーから、
「小さくて、使い勝手が良くて、音の良い小型スピーカー」を考えたときに、
・ポリプロピレン振動板
・45°カット

という2つの要素は欠かせないと考えました。


フルレンジという選択

今までの話の中で、「フルレンジ」のスピーカーが多く出てくることに違和感を持った方もいらっしゃるかもしれません。
市販のスピーカーは2wayや3wayが基本で、「フルレンジ」というと安物のイメージにも拭えないかもしれません。

しかし、フルレンジには大きな利点があります。
「点音源」(近接試聴で有利)
「ネットワーク不要」(つながりのよいスムーズな中高域)

これらの詳細は割愛しますが、
卓上での近接リスニングや、
BGMでの長時間リスニングを想定した場合、
フルレンジというのは、決して消極的な選択ではない
と考えています。



こうした基本設計コンセプトの他に、
「桧の無垢材」や「低音の調整機構」といった技術ポイントも加わって生まれたのが「PR-10」になります。




小さくて、使い勝手が良くて、
音の良い小型スピーカー

という命題に対して、

この「PR-10」は、
オーディフィルが自信を持ってオススメできるスピーカーとなっています。





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