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第03回 16cm口径バックロードホーンと市販スピーカーの比較
前回は、周波数特性の中低域のピークが気になることをお話しました。
再度、バックロードホーン型SP「S-004」の周波数特性を見てみます。
<周波数特性の測定方法>
この特性は、Waveganeでスイープ信号を発生させ、Wavespectraで特性をとっています。
これは私の設定ミスなのですが、
測定当時、スイープ信号を「logスイープ」に設定してしまっているため、右肩下がりの特性になってしまっています。
出力した「logスイープ」wav音源を、そのままWavespectraで確認した場合の特性が次になります。
「logスイープ」では、単位時間当たりのサイン波周波数の変化が、高域ほど早くなっていくため、Wavespectraで周波数特性に換算するとこのように右肩下がりの特性になってしまいます。
正しくは、「リニアスイープ」を使うべきでした。
<バックロードホーン型スピーカーの周波数特性>
さて、測定方法を説明したところで、再び<S-004>の周波数特性を見てみます。
一見フラットに見えますが、(本来は右肩下がりが正しい特性のため)スピーカーの周波数特性としては1kHz辺りから30Hzにかけてだら下がりの特性になっているといえます。
その中で、180Hzと230Hzのピークが鋭く立ち上がっており、聴感上はかなり気になるものだったと推測することができます。
実際に聞いても、特定の音源では「ホーホー」とまるでフクロウが中で鳴いているかのような付帯音があったことを思い出します。
<市販スピーカーの周波数特性>
参考として、同じ部屋(※スピーカー設置位置が異なります)で測定した、
17cmウーハーを2発備えた市販大型トールボーイ型3wayスピーカーの特性を次に示します。
カタログスペックでは、28Hzまでをカバーしていますが、実測では80Hzからのだら下がりです。これは、測定した部屋が木造戸建ての2階という、きわめて低音のヌケ(透過)が大きい環境だったため、80Hzの定在波以下の特性が持ち上がらなかったものと思われます。
※こちらの測定結果は「MySpeaker」というソフトで測定しており、先ほどのような右肩下がり補正は必要ありません。
このスピーカーはバスレフ型でして、200Hz付近に若干のディップがあるぐらいで、その他はきわめてフラットな特性が得られています。
~続く~
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