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1-2 オーディオは「ピュアオーディオ」だけじゃない


ここでは、本格オーディオや、趣味としてのオーディオとして、どんなスタイルがあるのか見てみます。


1. ピュアオーディオ

最も基本的なオーディオシステムの形態です。「CDプレーヤー」「アンプ」「スピーカー」を使い、ステレオ再生(左右に一つづつスピーカーを置く)を楽しみます。



これは、何よりも音質の追求を最優先としている形式です。そのため、デジタルや映像といった音以外のノイズ元を最小限にする工夫(もしくは排除する形式)をしています。
また、その機材(CDプレーヤー、アンプ)のサイズを、横幅40cmと大きなものとして、内部設計の自由度を高めているのも特徴です。

最近では、アナログレコード(LPレコード)の人気上昇と合わせて、レコードプレーヤーをシステムに組み込む例も増えてきました。いずれにしても、伝統的なスタイルのオーディオシステムだといえそうです。

なお、「ピュアオーディオ」という単語は、時と場合により様々な使い方がなされます。例えば、非常に高価なオーディオシステムを意味する「ハイエンドオーディオ」のみを示す言葉、として狭義で使われることもあります。
また、以下の2~4をも含むような「映像系を含まないオーディオ」という広義で用いられることもありますね。


2. 一体型オーディオ

先ほどの「ピュアオーディオ」とは違い、「一体型」の装置を使うのが特徴となります。例えば、CDプレーヤーとアンプを一体化させた「CDレシーバー」、アンプとスピーカーを一体化させた「アクティブスピーカー(パワードスピーカ)」などがあります。





ピュアオーディオの世界では、『一体型にすると、電気的な干渉が起こり、ノイズ発生につながる』『個々の機材の組み合わせで、音を創る楽しみがない』という否定的な見方をされることもあります。

一方で、それぞれを一体化させることで、ワンタッチで操作できる使い勝手の良さや、組合せの難しさを解消できる、といったメリットも見逃せません。

とりわけ、オーディオシステムが非常にシンプルになるのは大きなメリットです。簡単な操作で気軽に楽しみたい人には「CDレシーバー」、音楽制作などモニターリスニングとして使いたい人には「アクティブスピーカー」が、それぞれ人気があるようです。


3. PCオーディオ、ネットワークオーディオ

「PCオーディオ」は、パソコン(PC)を操作して音楽を再生するスタイルです。

今でもパソコンでYoutubeなどを見ているかと思いますが、パソコンから高品位な音声信号を取り出す「USB-DAC」などを用いて、PCと本格オーディオの融合を目指すスタイルです。



また、「ネットワークオーディオ」は、「NAS」というLAN接続が可能な外付けHDDと、「ネットワークオーディオプレーヤー」を使用します。この形式は、CDの読み込みなどにPCを使用しますが、オーディオ再生中はPCを使用しない(再生機能はネットワークオーディオプレーヤーが担う)のが特徴です。
PC由来のノイズを解消するほか、(PC画面が不要なので)ピュアオーディオ派でも違和感のない操作となるのが特徴です。



いずれにしても、膨大な音楽ライブラリーをHDDの中に格納でき、「部屋がCDで一杯・・・」という音楽ファンにありがちな状況を回避することができます。スッキリとした部屋で、沢山の音楽を楽しみたい方にオススメです。


4. ニアフィールドリスニング

ちょっと聞き慣れない言葉でしょうか。
「ニアフィールドリスニング」とは、スピーカーをリスナーから近い場所(手の届く範囲)に置いて楽しむスタイルのことです。「卓上オーディオ」とでも言えば良いでしょうか。

この方式のメリットは、部屋の反射音の影響を軽減し、スピーカーから出てくる音をそのまま聴くことにあります。
部屋いっぱいにオーディオシステムを広げると、スピーカーの音を濁す「反射音」を含めてリスナーは聴くことになります。一方で、コンパクトなシステムを近距離で聴けば、その反射音の影響を除外し、よりピュアな音を聞くことができるのです。この方法は、オーディオ評論家の故 江川三郎先生が提唱し、推進していました。

この場合、システムやスピーカーは自ずと小型のものを選ぶことになります。そのため、比較的安価にシステムを構築できるのが特徴です。


5. ポータブルオーディオ

「ポータブルオーディオ」は、携帯音楽プレーヤー(ウォークマン)や、スマートフォンと、イヤホン&ヘッドフォン(以下、ヘッドフォン)を組み合わせて楽しむ方式です。



つい10年前までは「外出用オーディオ」という役割が主でしたが、ここ数年は急速に市場の拡大と製品の成熟が進み、『家でもヘッドフォンで聴く』というスタイルが定着しました。
さらに、ヘッドフォンと再生機器の間に接続する「ヘッドフォンアンプ」や「DAC」の登場により、高度な音質を追求できるようになりました。また、ヘッドフォンのケーブルを自分好みの素材に交換する「リケーブル」といった楽しみ方も増えてきています。

何よりも、隣人を気にせず大音量が楽しめるほか、複数の機材を気分によって使い分けるなど、ポータブルシステムならではの楽しみ方がありますね。


6. ホームシアター

「ホームシアター」は、名前の通り映画ファンのためのシステムです。

映画館は、観客の前だけでなく、後ろにもスピーカーが設置され、臨場感に富んだ音を聴かせてくれます。この構成を家庭で再現するのがホームシアターです。

一般的なオーディオシステムでは、スピーカーは左右2本のみですが、
ホームシアターでは台詞を再生する「センタースピーカー」後からの音を再生する「サラウンドスピーカー」高さ方向の音を表現する「天井スピーカー」迫力の重低音を再生する「サブウーハー」などを使用します。

そして、それら多数のスピーカーを駆動するのが「AVアンプ(サラウンドレシーバー)」です。もちろん、大型の液晶テレビや、「プロジェクター」といった映像機器が映画再生に欠かせないのは言うまでもありません。

本サイトでは、ホームシアター関係は余り触れませんが、ホームシアターも本格オーディオの延長(応用)で楽しむことができます。また、「HiVi(月刊)」や「AVレビュー」といった雑誌には、ソフト・ハード両面から情報が載っていますので、ぜひ見てみて下さい。


いろいろなオーディオスタイルを挙げていきましたが、実際はこれらをうまく混ぜ合わせて楽しんでいる方が多いように思います。
また、「カーオーディオ」など今回は紹介できなかった楽しみ方もあるでしょう。

いずれにしても、「オーディオ趣味」「本格オーディオ」といっても様々な楽しみ方があるのです。『●●が最高だ』という事はなく、それぞれの楽しみ方はどれも尊重されるべきだと思っています。

さて、次回は、オーディオ趣味で一番気になる(?)お金の話です。




  

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