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PR-83Sol
「PR-83Sol」
(希望小売価格 98,000円・ペア)
・FOSTEX製 FE83-Sol搭載
・オール無垢ひのき材を採用
・最大板厚50mm(フロントバッフル)
・大面積バスレフポート
・桧アンカー、各種吸音材でのチューニング
・内部配線はOFC導体、硬質PE被覆
・バナナプラグ対応スピーカーターミナル
【「PR-83Sol」、誕生秘話】
PR-83Solの物語は、2016年に発売された小さなフルレンジユニット
「Fostex FE83-Sol」から始まります。
振動板は紙。磁石はフェライト。
一見、何の変哲もないユニットではありますが、
初代「FE83」から40年以上かけて進化してきた製品なのです。
画像:長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術[基礎知識編] (音楽之友社)、Fostex社webページより。
初代「FE83」は、「HiFi再生」全盛期の頃に発売されたスピーカーユニットですが、その小さな風貌ながら実力は高く評価されました。
長岡先生の評にはこうあります。
「本当に小さなユニットだが、実力はなかなかのもの。人の声はFEシリーズ中のトップという人もいる。タイプとしてはフルレンジ・ツイーターであり、Q0も高いのだが、平面バッフルからBH(バックロードホーン)まで、あらゆる方式で使える優れものである。」
長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術[基礎知識編] (音楽之友社)
それから、年月を経て、
「FE83E」「FE83En」へと進化したユニットでは、私も何作品か作り、その実力を十分に堪能してきました。
S-009(2008年作)
S-009は、オーソドックスなバスレフ型のスピーカーです。
FE83Eの推奨方式でもあるバスレフ型とすることで、80Hzまでのレンジを確保しています。
今から思うと、何の工夫もないMDF製の箱でしたが、
それでも
「FE83E」の粒立ちの良い中高音は深く印象に残っています。
S-019 (2010年作)
こちらは、スワン型のバックロードホーン箱に「FE83En」を使用した作品です。
(他に、試作機が5台ほどありますが割愛)
とくに、ヘッドの部分(ユニットの近傍)を構成する材料に
「ロシアンバーチ合板」を使用したのが特徴となります。
スピーカーを構成する材料を、より響きの良い(響いたときに雑味が少ない)ものに変えることで、
FE83Enから、色彩感と透明度を両立したサウンドを引き出すことができました。
様々な木材を意識的に選びはじめたのも、この頃からかもしれません。
S-054(2015年)
こちらは、「FE83En」を共鳴管箱で使用した作品です。
材料の面では、
「ひのき無垢材」「松集成材」を使用し、
合板特有の籠った音から解放され、さらなる美しい響きを獲得できました。
エンクロージュア設計の面では、回折効果を意識した「45°カット」を行い、
不要な反射波を抑制し、刺激感がなく立体的な音表現が可能になりました。
この「S-054」は、大型の共鳴管を搭載し良好な低音表現となりましたが、
高さ75cm、幅26cm、奥行き46cmと、
本体容量 89L の巨漢となってしまったのです。
この本体サイズであれば、30cmウーハーも搭載できるかもしれません(笑)
そこで、
この設計エッセンスを取り込み、
低音表現の魅力も極力減らさないようにしつつ、
コンパクトに設計できないか? と考えました。
さらに、手元には
最新の「FE83-Sol」があるではありませんか。
箱設計とユニットの二つが融合して誕生したのが「PR-83Sol」です。
ぜひ、その音を聴いて頂きたいと思います。
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