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評論/情報高音質を目指すためのスピーカー技術 > 17. JBLの最新ハイエンドスピーカー試聴記(K2,エベレスト編)

18. JBLの最新ハイエンドスピーカー試聴記(K2、エベレスト編)

 人気のある老舗スピーカーメーカー「JBL」。ここではハイエンドスピーカーとして注目される「K2」「エベレスト」を試聴し、その魅力と進化を読み解いていきます。

 >>スタジオモニターシリーズ編はこちら

 <目次>
 ・「K2」シリーズの歴史
 ・JBL K2 S9900を聴く
 ・「エベレスト」シリーズの歴史




JBL「K2」シリーズの歴史

 K2シリーズの初代「K2 S9500」は、新時代のフラッグシップモデルというコンセプトで登場しました。

 

 「K2 S9500」には上部ウーハーを除いた「K2 S7500」というモデル、そしてより小型化された「K2 S5500」という兄弟機があります。

 それから10年の歳月が経ち、2001年には「K2 S9800」、2002年には「K2 S5800」が登場します。「フルバンドウィズ&フルダイナミクス」をテーマに掲げ、最新のデジタルフォーマットへの対応を狙った製品です。2004年にはマイナーチェンジ版の「K2 S9800SE」が登場しています。
 
 そして、2006年には「K2 S9900」が登場します。ハーマンインターナショナル(株)のマーケティング部次長の藤田氏が「形から見るとシングルEVEREST(※)」と言うように「DD66000」を想起させるデザインになっています。しかしながら、同氏のコメントにもあるように「EVERESTはあくまで孤高の存在。本機はK2のフラグシップモデルとして位置づけている(※)」というJBLのトップモデルであるK2としての位置づけに変わりはないようです。
(※参考:【更新】ハーマン、JBL「Project K2 S9900」を発売 - EVERESTの技術を多く採用 (1/2) - PHILE WEB)


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JBL「K2 S9900」を聴く

 S9900は、2006年の発売から既に15年以上経っており、現行JBLの「K2」を代表するロングセラーになっています。長く愛され続けるその魅力はどこにあるのでしょうか。先日のTOTOTEN2022で聴くことができたのでレビューをします。

 

 実物を見ると、38cmウーハー機というイメージと比べて奥行きが驚くほど薄く、10畳以下の部屋でも頑張れば入れられるのではと感じました。この上のエベレストは(写真でも背後に写っていますが)巨大なスピーカーになるので、このS9900は一般家庭に入るサイズのハイエンドモデルだと言えるでしょう。

 

 直前にスタジオモニターの「4368」を聴いていたので、それとの比較を交えてお伝えします。まず、音全体に余裕を感じます。落ち着いた高音域が「K2」の貫禄を感じさせます。それでいながら、ガツンとくる金管は他では代えがたいもの。直線的に伸びる音圧は、生のセッションの音量感に近いものを感じました。

 

 一方で、音の深みや表情は、最新世代のD2ドライバーをもつ「4368」の方が優れると感じました。この辺は振動板に使われているマグネシウム素材の個性が出ているものと思われます。
 マグネシウムの音は比較的無個性(悪く言ってしまえば無表情)なのですが、S9900ではホーン表面に貼った木の突板の響きと相まって、巧みなチューニングになっています。ホーンはその部材の音も出てくるから面白いものです。

  

 改めて聴くとS9900のサウンドは、ホーンを持たない一般的なスピーカーの音に近いとも言えます。ホーンの癖を完全に消せているのに加え、指向性の広いスーパーツイーターがあてがわれているのも効いているものと思われます。

 

 低域は完全に制動され、乾いたウッドベースの音を聴くことができました。これは、ウーハーの性能の勝利だと思います。
 搭載されているのは「1500AL-1」という38cmウーハーで、巨大なアルニコマグネットで駆動される振動板からは、滲むことのない極めて理想的な低音が放出されます。この音であれば、低音がブーミーになりやすい狭い部屋でも上手く鳴りそうです。



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(追記中)


 >>JBL「スタジオモニター」シリーズについての試聴記を読む



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