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1-1 趣味としてのオーディオ
「 オーディオを趣味にする」といっても、
すぐにはピンと来ないかもしれません。
「趣味でオーディオをやっている人」というと、
もしかしたら、『高価な装置でクラシックとか聞いているおじさん』みたいなイメージもあるかもしれません(笑)
では、そんな おじさん達(いや、おじさんに限らなくても)は、
何に魅力を感じているのでしょうか?
ここでは、私の考えるオーディオの魅力を3つ挙げてみます。
「違い」を楽しむ。それがオーディオ。
ところで、あなたはイヤホン(もしくはヘッドフォン)を買い替えたことはあるでしょうか?
最初についてきたイヤホンが故障してしまった、無くしてしまった・・・といった理由で、新しいイヤホンを買った経験は少なからずあるはずです。
そんなとき「ちょっと奮発して7千円のものを買ってみた」といった方は、
「あれ?前に使ってたものより良い感じになったかも?」という経験をしたかと思います。
装置が変われば、音も変わる。
音が変われば、音楽の印象も変わる。
同じ音楽でも、
装置を変えて、音が変わると、
また新しい発見があるものです。
本格的なオーディオであれば、
その音は、今まで聞いてきた音とは別次元のものとなります。
そんな「音の良さ」は、
お気に入りのアーティストの曲をもっと楽しむことや、
新しい音楽との素敵な出会いを、もたらしてくれるでしょう。
これは決して高価な機器だけの話ではなく、趣味として拘りをもって選んだもの、適切な使いこなしができている機材であれば、誰でもこの
「音の違い」や「愛機で音楽を聴く喜び」を堪能することができます。
このように「音の違い」を体感することは、音楽の楽しみ方を変えるもので、
まさにオーディオ趣味の醍醐味だといえると思います。
「聴く」を楽しむ。それがオーディオ。
音を聞くこと。
これは生まれた時から、誰もが無意識にやっていることです。
唐突ですが、ここで、ちょっとした例え話をしましょう。
車や電車で移動すること。これは誰もがやっていることです。
しかし、
「旅人」は『移動』を『旅』として楽しみます。
食べること。これも、誰もが毎日やっていることですね。
しかし、
「グルメな人」は『食べること』を『食事』として楽しみます。
もうお気づきかと思いますが、
「オーディオ」は、『聞く』を『聴く』に変える楽しみなのです。
「これはどんな音だろう?」と、興味を持って『聴く』と、
「あれ?この装置は他のと違う音がする」
「この音楽には、こんな音も入っていたのか!」
「自分は、こういう音が好きかも。」
と、どんどん新しい発見があるものです。
そして『聴く』という行為は、続けるほど新しい発見に出会えるものです。
晩年の芸術家が優れた作品を輩出するように、人間の感性はいつまでも磨けるものなのです。
また、これも決して高価なオーディオ機器だけの話ではありません。自身の拘りを音に反映できる「オーディオ趣味」であれば、誰もが手にすることができる、最も根本的な部分だと思っています。
あなたもぜひ、奥深い『聴く』の世界を楽しんでみませんか?
「メカ」を楽しむ。それがオーディオ。
オーディオ機器は、当然ですが電子機器です。
トランジスタに始まり、コイルやコンデンサ。そして、電源には欠かせないトランス。さらには、各種配線や、回路設計など。。。
これらのパーツ(部品)は、スマートフォンで音楽を聴くだけでは、まったく意識しなかったところだと思います。
しかし、オーディオ趣味のなかでは、
一つ一つのパーツが個性的で「オーディオの音」を創り上げる役者なのです。
もちろん、電気に詳しくなくても大丈夫。
大抵のオーディオは、どれも簡単な操作で良い音を聴かせてくれるものです。
そして、自分が気になったところ、興味を持ったところから一つづつ楽しみながら学べば良いのです。「知らない」ということは、これから沢山の出会いがあるのですから、肯定的にとらえましょう。
また
「音を良くする」というシンプルな目的を極めるために作られたオーディオ機器は、どれも機械として美しく魅力的です。その魅力を理解すればするほど、手持ちの機材への愛着も深まると思います。
機械(メカ)を道具としてでなく、
機械そのものの魅力に触れる。
オーディオは、(必需品ではなく)嗜好品としての趣味です。そんな趣味だからこそ、機械の魅力を存分に楽しむことができるのだと思います。
以上にように、「オーディオ趣味」には、
『違いを楽しむ』、『聴くを楽しむ』、『メカを楽しむ』
という3つの楽しみがあると思っています。
音楽を聴くというのは、日常的なものですが、
「オーディオ趣味」は、そこに非日常の楽しみを持ち込んできてくれる面白さがあると言えるでしょう。
そして、ベテランさんになれば「いや、他にも楽しみ方はあるよ!」という考えも出てくるでしょう。オーディオは、本当に奥が深い趣味なのです。
そんな、趣味としてのオーディオ。
あなたも始めてみませんか?
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